ビルのオーナー必読!知っておくべき法定点検の中身と義務

ビルのオーナー必読!知っておくべき法定点検の中身と義務

「法定点検」という言葉自体は聞いたことがあっても、その内容まで詳しく理解している人は少ないのではないでしょうか。ビルの利用者に安全な環境を提供するためにも、そして自身が罰則を受けることにならないためにも、改めてこの法定点検とは何かを理解しておくことが重要です。この記事では法定点検の具体的な内容を、各法律とともに紹介。また、点検を行わなかった際のデメリットについても解説していきます。

法定点検とは

法定点検とは、その言葉のどおり法律によって定められている点検のことです。消防法や電気事業法、建築基準法など各種法律に基づいた点検を一定の周期でする必要があり、点検は有資格者のみ行うことができます。ビル利用者に安全な環境を提供するためにも、法定点検はビルオーナーの義務なのです。

地震や火災などの事故によって大きな被害を受けた際でも、法定点検をしておけば被害を最小限に食い止められる可能性が上がります。点検項目は膨大ですが、そのビルの規模や戸数によっては点検する必要がない項目もあります。そのため、まずは自身のビルが「いったいどの項目を点検すべきか」をよく理解することから始め、適切なタイミングで点検をするようにしましょう。

法定点検の内容参考例

法定点検には多くの点検項目がありますが、大きく六つの法律ごとに分けることができます。項目にもよりますが、法定点検にはそれなりに人手と時間が必要です。そのため日常の業務に追われ、ついついこの法定点検は後回しにしがちです。

しかし、実施が遅くなった結果、修繕費用が高くなってしまうこともあります。できることなら、この法定点検は時間に余裕をもって進めるようにしましょう。ここでは、その六つの法律に基づいた点検内容を紹介していきます。

1.建築基準法

建築基準法にまつわる点検には、敷地内の通路や建物の外壁の状況、昇降機などに関わるものがあります。昇降機とはエレベーターとエスカレーターを指し、これらを設置しているマンションやアパートなどは1年に1回の点検が必須です。

さらに換気、排煙、非常用照明装置、給排水衛生設備の点検も必須で、こちらも半年か1年に1回定期点検をしなければいけません。点検対象の建物は法律上「特殊建築物及び階数が5以上で1,000㎡以上の事務所等の建築物で、特定行政庁が指定するもの」と定められています。これに該当するビルを所有している場合は、点検について今一度確認しておきましょう。

2.消防法

消防法ですが、消防法に基づく法定点検では主に消火設備、警報設備、避難設備、非常用電源などの機器の点検が義務付けられています。機器の外観・機能の作動点検は半年に1回で、配線を含む総合点検は1年に1回行います。作動点検では消火器や火災報知器が正常に稼働するかどうか、また適正な位置に設置されているかどうかを確認します。政令に指定されている設備は有資格者に点検を任せ、それ以外のものは自主点検で問題ありません。

3.電気事業法

電気事業法では、自家用電気工作物の点検を必要とします。月に1回の外観確認・測定を伴う点検と、停電を伴う年に一度の大規模な精密点検が必要です。

この自家用電気工作物とは、変電や送電設備のスペースに置かれた設備全般を指します。特に高圧電力を使用している場合はキュービクルの月次・年次での点検が義務付けられていることが重要なポイントです。

所有するビルの規模や使っている電力・電圧によって点検項目は異なります。点検にかかる費用もビルの規模によるため、よく確認しておくようにしましょう。

4.水道法

水道法に基づいた点検では、年に一度「簡易専用水道道(水槽の有効容量の合計が10㎥を超えるもの)」の掃除と点検を行います。貯水槽や受水槽の周辺に汚染につながる問題はないか、水質に問題はないかなどが点検項目です。もしも点検の際に水質に異常を認めた場合は、必要に応じて水質検査をします。

点検者は、有資格者です。水質はそのビルを利用する人々の安全に、直接関係します。貯水槽のあるビルを所有している場合は、この水道法に基づく点検を確実に実施するようにしましょう。

5.浄化槽法

浄化槽法では浄化槽の保守点検と掃除を行います。浄化槽とは家庭排水を浄化するための装置で、ビルを利用するうえで衛生面に大きく関係する装置です。半年から1年に1回のペースで点検をし、浄化槽が1年を通してしっかりと機能したかどうかを確認します。

また、年次の定期点検のほかに、浄化槽を新設してから半年後に設置後検査をする必要もあります。これは浄化槽が、設置されてから正しく機能しているかを確認する検査。定期点検とあわせて、この設置後の点検も重要ですので忘れないようにしましょう。

6.建築物における衛生的環境の確保に関する法律(ビル管理法)

ビル管理法(正式名称「建築物における衛生的環境の確保に関する法律」)では、空調設備や給排水設備、害虫防除といったビルの衛星管理全般に関わる項目をチェックします。空気環境の測定は2か月に1回、給排水設備の塩素量測定は1週間に1回など、点検の頻度が高く項目数が多いのが特徴です。所有するビルがどの点検をする必要があるのか、しっかりと調べておく必要があるでしょう。

その他にも労働安全衛生法、水質汚濁防止法、ガス事業法などの法律があり、これらに則り各種点検を進めていく必要があります。それぞれビルの規模や電力・電圧によって点検項目が変わるため、自身のビルにはどの点検が必要なのかを理解しておくようにしましょう。

点検を怠ることで生じるデメリット

冒頭でもお伝えしましたが、法定点検は法律で定められた点検のことを指します。法定点検は、ビルを利用する人々の安全に関係する重要なものです。そのため、もしも点検や報告を怠った場合は、まずは立ち入り検査と指導が行われ、それでも改善されなかった場合は罰則を受ける可能性もあります。

過去に消防法に基づいた点検をしなかったビルオーナーが、火災事故を起こした際に多額の賠償金を支払った事例もあります。法定点検を行うことは、ビルの利用者に安全な環境を提供するだけでなく、自身の身を守ることにもつながるともいえます。

また、ビルのオーナーが点検を怠ることで、そのビル自体の利用が禁止になる可能性もないとはいえません。法定点検はビルオーナーの義務であるということを自覚し、適正な時期に点検をするようにしましょう。

法定点検はビルオーナーの義務

ビルのオーナーとして、法定点検の中身についてはしっかりと理解しておく必要があります。ビルを利用する人々に安心できる環境を提供するためにも、法定点検の必要性や行わない場合の危険性をしっかりと知っておくようにしましょう。

また、点検項目が膨大だとつい後回しにしがちですが、早めに準備して進めるようにしましょう。

 

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ビルオーナーの知恵袋 編集部
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